生物系データサイエンス(以下、バイオインフォマティクス)は生物学、統計学、ITスキルの3つの領域が重なったような学問です。
その中でも生物学はデータサイエンティストからするとイメージしにくく、ハードルが高く感じられるかと思います。
ですが、最低限必要な知識さえあればあとは解析時に学んでいくこともできますので、そこまで身構える必要はありません。
バイオインフォマティクスで扱うデータは暗号のようなものが多く、暗号解読のようで楽しく感じられる人もいるはずです。
本記事ではバイオインフォマティクスに関わる生物学についてご紹介いたします。
生物学の必要性
バイオインフォマティクスを行う上では、生物学の知識が必須となります。
ただ、極度に専門家になる必要はなく基礎的な知識と解析の目的に応じた応用的な知識があれば大丈夫です。
解析の目的を理解するため
バイオインフォマティクスの目的は「生物学の課題をデータサイエンスの力で解決する」ことでした。
そのため、そもそもの課題を理解するためには生物学の知識が必要になります。
生物学の知識があると、研究者が何を知りたくてデータを集めているのか、その背景にある生命現象や仮説を正しく理解できます。
例えば、薬を作る際の遺伝子解析をであればどのような疾患にかかわる遺伝子なのか、生態系の解析であればどのような微生物が関わっているのかなどその解析の目的に沿った知識が必要になります。
目的が分かれば、適切な解析手法の選択や前処理の判断が格段にしやすくなります。
データを理解するため
解析をするデータは生物のデータとなります。
ゲノム、RNA、タンパク質、細胞など、生物データは「何を測っているのか」を知らないと構造や前提条件を誤解しがちです。
生物学の基礎があれば、データの性質・制約・ノイズの理由を把握し、より正確なモデル化や品質管理ができます。
PCやサーバーで解析を行いますが、その中身を理解していなければどの解析を行うべきかなどがわかりません。
結果を解釈するため
解析結果が示す生物学的意味を読み解くには、遺伝子の機能や細胞の仕組みなどの知識が欠かせません。
統計的に有意でも、生物学的に意味があるとは限らないため、結果を正しく評価し、次のアクションにつなげるための判断力が生まれます。
生物学の中のどのような領域か
基本的には分子生物学の基礎的な知識が必要になりますが、解析の目的に合わせてさまざまな応用分野の知識も必要になってきます。
基本的な知識
分子生物学の知識が必要にですが、もっと基礎的なこととしてはセントラルドグマがあります。
セントラルドグマはゲノム、RNA、タンパク質の流れを指しており、生命現象の根幹に関わるものです。
セントラルドグマだけでは解析を十分に理解することはできませんが、それでもセントラルドグマを知らなければ始まらないので、基本的な知識となります。
解析目的による応用的な知識
解析の目的によってはさまざまな知識が必要になります。
例えば、免疫に関わるものや進化、発生などに関わるものもあります。
生物学は非常に広い分野なので全てを網羅することは現実的ではありません。
なので、解析をする際にその分野の学習をするのが効率的かと思います。
勉強方法
生物学の基礎知識を得るための勉強は順序を追っていけば、それほど難しくはありません。
しかし、手順や方法を間違えると効率が悪かったり難しすぎて途中で挫折したりします。
本
体系的に基礎から学べるため、生物学の全体像や概念をしっかり押さえたい人に向いています。自分のペースで理解を積み上げられるのが強みです。
最初は簡単な本を読むところから始めることをお勧めします。
バイオインフォマティクス技術者認定試験
出題範囲が整理されているため、「何をどこまで学べばいいか」が明確になります。試験勉強を通じて、生物学・情報学・統計の基礎をバランスよく習得できます。
生物学以外の知識も入ってしまいますが、バイオインフォマティクスについて効率的に学ぶにはとても良い選択肢です。
動画教材
視覚的に理解しやすく、実際の解析手順やツール操作をイメージしやすいのが利点です。短時間でポイントをつかみたいときや、手を動かしながら学びたい人に適しています。
生物学のミニレクチャーを作成しましたので、もしよろしければご検討ください。


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